眠らない街。 東京、 神室町。四方400メートルに満たない小さな箱庭のような街に、数千の飲食店、 遊戯場がひしめく"東洋一"の歓楽街。食欲、 物欲、 そして性欲……人々は剥き出しの欲望を胸に、 この場所へと集まってくる。己の欲望を叶えるため。 そしてその欲望の渦の中で生きていくため……
そんな神室町で生きる人々。 人はそれをこの街の「住人」と呼ぶ。ホストやキャバ嬢、 キャッチにギャング。この街の遊戯場に身を置く住人たち。そしてそれら住人を束ねるのが、 この街の裏の支配者、 「極道」であった。
酒と金、 女と男。 欲望に直結した場面には、 必ず「争い」が起こる。神室町で起こる数々の「争い」。それを治めるのは、 警察でも法でもない。この街のルール。 それは、「力」。神室町では、 力をもったものこそが正義。 強いものが勝つ。弱き住人たちは、 強き支配者に付き従うことで、 己の安全を確保する。
危険と欲望の背中合わせ。一歩足を踏み入れた先にあるのは天国か地獄か。そんな魔の都に今日も一人、"新参者"が足を踏み入れようとしていた……